こんにちは、ツクです!
大河ドラマ「いだてん」では、人見絹枝が登場し涙が思わず流れる神回でしたね。
人見絹枝さんは短い人生でしたが、しかし密度の濃い、後世に襷をつなぐ大きな役割を果たし、化け物という心ない言葉と戦った人物が実在したことに心が揺さぶられました。
「いだてん」は女性の活躍とともに一気に盛り上がりを見せてきましたね。
そして、次のヒロインは水泳の前畑秀子選手ですね。
前畑選手といえば、NHKアナウンサーの「前畑ガンバレ」の連呼が思い浮かびます。
前畑選手とともに実況中継が後世に濃い印象を残しています。
あの放送を担当したアナウンサーとはどんな人物だったのでしょうか。
そして「前畑ガンバレ」というフレーズばかりが印象に残りますがレースの開始から最後までどんな実況が行われたのでしょうか。
「前畑ガンバレのアナウンサーは誰?全文と実況音声も聞いてみる!」と題して、歴史的な瞬間の感動に迫ってみたいと思います。
それでは進めて参りましょう!
■目次
前畑ガンバレのアナウンサーは誰?
前畑選手の優勝は歴史的興奮の瞬間ですよね。
人見絹枝選手の銀メダルに続いて、人見絹枝選手の襷を受け継いで初めて女性が獲得した金メダル。
歴史的な実況がその興奮を、オリンピックに注目する時代の興奮を伝えてくれます。
実況中継を行ったのは、NHKの河西三省アナウンサーです。
河西三省アナウンサーとは
かさいさんせいと読みます。
明治31年生まれのアナウンサーで、慶應大学を中退され、最初はNHKではなくて時事新報社に入社されています。
もともとアナウンサーではなくて、運動部の記者だったんですね。
ところが、、全国中等学校野球大会の解説者として好評に。
本格的なスポーツアナウンサーになる為、NHKに入局されたのでした。
もともと野球の開設を行っていた事から、野球中継が上手く、非常に克明なアナウンスが評判だったようです。
1932年(昭和7年)のロサンゼルスオリンピックでは、初めてアナウンサーが海外に派遣されて海外からの中継を行いましたが、河西アナウンサーはそのうちの一人に選ばれました。
そして注目の「前畑ガンバレ」は、1936年(昭和11年)の、ベルリンオリンピックの中継です。
競泳女子200メートル平泳ぎ種目の決勝戦の放送を担当し、前畑秀子とドイツのゲネンゲルによる白熱のレースを中継した、歴史に残る実況中継が生まれました。
前畑ガンバレの中継全文は
ただ今ピストルが鳴ります。
飛び込みました、飛び込みました、一斉に飛び込みました。飛び込みました。
これが我が前畑とゲネンゲルの競泳でございます。
ゲネンゲルは未だ潜つて居ります、ゲネンゲルは未だ潜つて居ります。
飛び込んだときは我が前畑嬢と同じ、我が前畑嬢と同じ。
第二コース、第ニコース、オランダのワールベルグは割合に出ましたが、前畑嬢僅かにリード、前畑嬢僅かにリード。
オランダのワールベルグが大分出まして前畑嬢とならんで居ります。
我が前畑嬢35、35メートル、ドイツのゲネンゲルと並んで居ります。
ドイツのゲネンゲルと並んで居ります、第一コースのイギリスのストーレー、イギリスのストーレーも出ております。
イギリスのストーレーも出ております。
大部各選手はならんで居ります、非常に心配であります、非常に心配であります。
イギリス、イギリスの、イギリスのストーレーが先づ最初のターンをしました、我が前畑嬢つゞいて第二位、しかし我が前畑嬢悠々たるペースをもってつづいて居ります。
ドイツのゲネンゲルも続いております、ドイツのゲネンゲルも続いております。
ぐんぐんと、我が前畑嬢折返し40メートル、折返し45、折返し45、並んで居ります。
前畑、ゲネンゲル二人が出ました、イギリスは遅れました、イギリスは遅れました。
イギリスは遅れ遅れました。僅かにひとかき、ひとかき我が前畑嬢はリードしております。
ゲネンゲルよりは僅かにひと掻きリードしております。
ゲネンゲルと前畑嬢の接戦となりました、他はだいぶおくれました。他の選手はだいぶおくれました。
前畑嬢ひとかきリード、前畑嬢ひとかきリードして居ります。
ゲネンゲルよりはひとかきリードして居ります、ひとかきリード、あと5メートルで100のターン、あと5メートル100のターン、あと2メートル、あと2メートル、ただ今前畑ターン、前畑ターン、つづいてゲネンゲルがつづいて居ります、つづいてゲネンゲルがつづいて居ります。
我が前畑ひとかきリード、ひとかきリード、まことに大接戦、火の出るやうな大接戦、まことに心配でございます。心配でございます。ゲネンゲルも強豪つづいております。ゲネンゲルも強豪つづいて居ります。我が前畑僅かにリード、僅かにリード、125、125、125、僅かにリード、僅かにリード、ゲネンゲル、強豪ゲネンゲルがつづいて おります。
地元ドイツの応援は盛んにゲネンゲルに声援をおくつて居ります。
他の選手はだいぶおくれました、ゲネンゲルと前畑二人だけの競争でございます。
他の選手はだいぶおくれました。
前畑あと10メートルで150、あと10メートルで150、僅かにひとかきリード、僅かにひとかきリード、前畑がんばれ!前畑がんばれ!あと2メートルでターン、2メートルでターン、2メートルでターン、ターンしました、ターンしました、ただ今ターンしました、
ひとかき僅かにリード、前畑がんばれ!前畑がんばれ!がんばれ!がんばれ!あと40、あと40、あと40、あと40、前畑リード、前畑リード、ゲネンゲルも出て居ります。
ほんの僅か、ほんの僅かにリード、前畑僅かにリード、がんばれ!前畑がんばれ!がんばれ!がんばれ!あと25、あと25、あと25、僅かにリード、僅かにリード、僅かにリード、前畑!前畑がんばれ!がんばれ!がんばれ!ゲネンゲルも出て来ました、ゲネンゲルも出ております、がんばれ!がんばれ!がんばれ!がんばれ!がんばれ!がんばれ!がんばれ!がんばれ!前畑、前畑リード、前畑リード、前畑リードして居ります、前畑リード、前畑がんばれ!前畑がんばれ、リード、リード。
あと5メートル、あと5メートル、あと4メートル、3メートル、2メートル、あッ、前畑リード、勝つた!勝つた!勝つた、勝つた!勝つた!勝つた!前畑勝つた!勝つた!勝つた!勝つた!勝つた!勝つた!前畑勝つた!前畑勝つた!
前畑勝つた!前畑勝ちました、前畑勝ちました、前畑勝ちました。前畑勝ちました、前畑勝ちました。
前畑の優勝です、前畑の優勝です、ほんの僅か、ほんの僅かでありましたが、前畑優勝、前畑嬢日章旗を揚げました。河西アナウンサーの実況
いやあどうでしょう、この言葉、文字で呼んでも興奮を掻き立てられます。
河西アナウンサーの、言葉の繰り返しの魔力ですね。
「前畑ひとかきリードしております、ひとかきリード」
この言葉の繰り返しが、興奮とともにだんだん長くなっていき、最後はガンバレの連呼、
そして最後に勝ったの連呼。
音楽が次第に盛り上がっていくような、興奮が迫ってきます。
放送に対する評価と河西アナウンサーの自己評価
当時大変評判になったようで、朝日新聞では、この放送自体を「あらゆる日本人の息をとめるかと思われるほどの殺人的放送」と大変な表現をもって激賞しています。
一方であれは応援であって実況中継ではない、三位以下の選手の順位が不明瞭、といった批判もあったようです。
河西アナウンサー本人はといえば、放送席のすぐそばに陸上の選手らがいて、ガンバレ、ガンバレという声援を送っていたのに、ついのせられてしまった、とプロのアナウンサーとしては客観的な中継が出来ず、失格だと終生反省していたそうです。
評価は分かれるところかもしれませんが、この時の注目は何といっても前畑選手。
国民が息をのんで、勝敗の行方を聞き逃すまいとラジオの前に座っていました。
歴史的な瞬間を伝えるこれほどの臨場感はないのではないでしょうか。
実況音声を聞いてみる!
何はともあれ実況の放送を聞いてみましょう。
いかがでしょう、この放送はある意味、歴史的な音楽家の演奏のようなものではないでしょうか、
歴史に残る声である事にはかわりありませんね!
大河ドラマ「いだてん」で演じるのは誰?
大河ドラマ「いだてん」でも、この歴史的放送は重要なシーンの一つとして出てくることでしょうね。
この中西三省アナウンサーを演じるのは一体誰でしょうか。
#ウルフルズ の #トータス松本 がNHK大河ドラマ「#いだてん ~東京オリムピック噺~」に出演決定🎉スポーツアナウンサーの河西三省を演じます👍
移籍第1弾のアルバム『ウ!!!』のリリースも控えてますます精力的な彼らから目が離せません👀— ビクターエンタテインメント (@VictorMusic) 2019年4月24日
この中西アナウンサーを演じるのはウルフルズのトータス松本さん!
熱い実況を再現してくれそうですね!
まとめ
前畑ガンバレのアナウンサーはNHKの河西三省アナウンサーで、この放送は大変な評価を受けた一方で客観さを描いたアナウンスだと批判も受けました。
河西アナウンサー自身もアナウンサー失格と修正反省していたようです。
しかしアナウンス全分や実況音声を聞いてみると、お手本からはかけ離れているものの、その時代の期待や空気を、歴史的な一瞬が見事に詰まった放送だったのではないでしょうか。
大河ドラマ「いだてん」ではどのように描かれるのでしょうね。楽しみです!
「前畑ガンバレのアナウンサーは誰?全文と実況音声も聞いてみる!」と題してまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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