ピカソの本名は次の通りです。
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンディシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」
あまりに長すぎて本人すら覚えていなかったとか。
・ピカソのファーストネームと苗字はどこにある?
・なぜミドルネームがこれほど長い?
・パブロ・ピカソに落ち着くまで
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ファーストネームと苗字はどこにあるの?
ファーストネームは頭の「パブロ」、姓は最後の「ルイス」(父の姓)と「ピカソ」(母の姓)で間にあるイはandをあらわしています。
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンディシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」
父方と母方の両方の名字をつけるのはスペインの特徴で、母方の財産を継ぐことになった場合、権利を明確に示す為という理由もあるようです。
そしてその間の長い部分がミドルネームです。
なぜミドルネームがこれほど長いのか。
親戚や聖人など実に7人の名前が詰め込まれているからなのです。
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホアン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンディシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ」
スペインでは多くの名前を連ねる伝統があり、長い名前が生まれるのです。
ピカソの場合、7人の親戚や聖人の名前を連ねた後、父と子と精霊を表す「三位一体」という言葉で締めくくられます。
そして、最後に型どおり父の姓と母の姓が続いているのです。
美術学校の教師であったピカソの父そして母が、子供の幸せと才能に恵まれる事を願って多くの尊い名前を詰め込んだのでしょう。
祈りは通じてピカソは歴史的な画家となりましたが、それにしてもちょっと長すぎますね。
パブロ・ピカソに落ち着く
ピカソ自身すら覚えられなかったほどの長大な名前、普通長い名前から通称名を選択します。
ピカソは画家としてスタートした頃、両親の姓をとって「パブロ・ルイス・ピカソ」と名乗っていました。
しかし父方の姓「ルイス」は、故郷スペインのアンダルシア地方にあるマラガ市あたりではありふれた苗字だったようです。
そして母方の姓「ピカソ」を選択し、「パブロ・ピカソ」と名乗るようになったのです。
もし父方の姓をとっていたなら、「パブロ・ルイス」。ピンときませんね。
スペインでは結婚したら姓はどうなる?
日本なら結婚すると夫のを名乗るのが一般的。
父の姓と母の姓※をつけるスペインでは、結婚すると名前はどうなるのだろうと気になります。
※ここでいう姓とは第1名字つまり父方の名字です。
スペインでは結婚しても名前が変わる事はありません。
そして生まれた子供に父と母のが受け継がれるのです。
一方、この段階で母方の祖母の名前はひっそりと消える事になります。
もしかしたら祖母の名前もミドルネームとして残されるかもしれませんが。
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コラム:寿限無 日本の落語にもある長い名前のお話
ピカソの長い命名は、日本の落語「寿限無」のお話とよく似ています。
こんなお話です。
八五郎は、生まれた男の子が元気に育つことを祈って、和尚さんから名前の候補として良い言葉をたくさん教わります。
しかし、せっかくおめでたい言葉なのだからと全部つけてしまって長い長い名前になります。
「寿限無寿限無 五劫のすりきれ 海砂利水魚の水行末雲来末風来末 食う寝るところに 住むところ やぶらこうじの ぶらこうじ パイポ パイポ パイポの シューリンガン シューリンガンの グーリンダイ グーリンダイの ポンポコピーのポンポコナの 長久命の長助」
長い名前を付けられたことで様々な笑い話が生まれます。
長い名前の物語、こちらの記事もどうぞ。
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