NHKの大河ドラマが好調ですね。
重厚なテーマ音楽に,赤い炎をバックに戦う武者たちのタイトルバック、そしてまるで黒澤映画のように大きな文字で書かれた出演者やスタッフのクレジット。
一見すると、高視聴率を叩き出していた古き良き時代の大河ドラマを回顧しているようにも見えますが、このドラマ、最新の歴史学で明らかになったことも取り入れられ、重厚かつ斬新なドラマとなっています。
実は「麒麟がくる」がはじまってから、気になって違和感を感じていた事があったんです。
巷でも色々言われていたようですが、女性が立膝で座っている事。
これまでの時代劇で、あのような座り方は見てこなかったような気がします。
立膝座りは時代考証的に正解なんでしょうか。
あの戦国時代には一般的だった座り方なんでしょううか?
疑問を解決しようと、「麒麟がくる|女性が立膝で座っているのが気になるけど史実なの?」と題してまとめてみました。
目次
あの時代女性は立膝座りだったの?
結論から言えば、戦国時代の女性の立膝座りは事実なのです!
現代、礼儀作法上の正しく美しい座り方は、正座という事が染み付いていますが、実は正座が礼式的に正しい座り方となったのはごくごく最近の事。
昔は男女に限らず、胡座か立膝が一般的なものでした。
論より証拠で、実際の女性の座っている肖像画をみてみましょう。
ツイッターに高台院(寧々)の肖像が掲載されていました。
本当に立膝ですね!
#麒麟がくる の女性の座り方に違和感、韓国みたいという呟きがTLに流れてきて。片膝立ては高台院(北政所)、雲光院(阿茶局)の肖像画にあるように当時は一般的な姿勢だったのです pic.twitter.com/4Ln8YuSHfT
— ぬえ (@yosinotennin) March 1, 2020
さすがは、きちんと時代考証にのっとったNHK、批判されているようですが気の毒ですね。
ツイッターに投稿された方より今でも能や居合などで立膝座りはあるようですね。
立膝座りは、実は今でも能や居合座りなどから中世の片鱗を見ることができます(^^)
能ではこの何気ない佇まい一つをとっても洗練されているというか、骨盤を立て猫背にならないよう(女性は着物の裾がはだけないよう)、より芸術的な美しさを追求しているように感じます…(^^)#麒麟がくる pic.twitter.com/U7g7c7Ubrt— マヌー🍁 f;[ef] (@ef_infor) March 5, 2020
そもそも礼儀作法ってなに?
そもそも礼儀作法っていうのは、目上の人に対して攻撃する姿勢はありませんよ、という姿勢を表しているものが多いのです。
今に伝わる作法は、徳川幕府の将軍を頂点とする絶対的なヒエラルキーの中で生まれたものです。
正座って大変ですよね。
私はとてもじゃないですが、足がしびれて5分と持ちません。
「膝を屈する」という表現がありますが、文字通りの意味と、強い相手の前に屈するという、ちょっと屈辱的な響きも含んでいますね。
ところで、身分の高い人の前で、両手はどうするのでしょう。
正式には右手を下にして、その上に左手をのせます。
これは、利き手である右手を押さえる事により、目上の人に対して攻撃する意思のないことを表しています。
正座はいつから定着したの
正座の起源って茶道からきているのだと思われている事も多いようです(私もそう思っていました)。
茶道では狭い部屋で人数が入った時に胡座じゃ座りきれないから必要に迫られて正座になった等。
実は違うようなのです。
実は茶道を完成させた千利休も胡坐や片膝で座っていました。
正座が正式な座り方(すなわち正座)とされるようになったのは、江戸時代の中頃から、小笠原流の礼儀作法がとりいれられてからなのです。
同じころに茶道においても正座となったようです。
明治に入り、正座が正しい所作として教育に取り入れられ、社会に浸透していったのです。
まとめ
「麒麟がくる」で話題になっていた女性の立膝座り。
戦国時代の時代考証として正しいものだったのですね。
「麒麟がくる|女性が立膝で座っているのが気になるけど史実なの?」と題してまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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